バタフライカヤックスのロゴマークを貼り付けているところです。まず、サイドのウレタンハルの所定位置にマスキングテープを貼り、表面をサンディングペーパーで荒らします。ウレタンは耐摩耗性が高く、なかなか簡単には削れてくれません。だいたい荒らしてから、一度アセトンで拭くと、アセトンが浸透してやわらかくなり、良く削れるようになるので、もう一度サンディングペーパーで荒らします。両面に接着剤を塗り、30秒ほどで気泡が入らないように端をまず張り合わせます。 最後にローラーで十分圧着します。
ハルの補修も同じ要領で行います。重要なのは表面を荒らすことです。ウレタンは接着剤と化学的に結合しているというより、むしろ物理的に荒らした表面の凸凹の引っかかり同士が接着剤でつながっている感じになります。しかし接着剤の性能は高く、このようにしっかり荒らして接着すると、まずはがれることはありません。 接着剤のすばらしいところはこのように物理的につながるため、ウレタンとPVCといった異種材料の組み合わせでも貼り付けることが出来るということです。
しかし、逆に荒らさないと、全くつきません。高周波溶着は分子的に結合するので最強です。ウレタンハルの製作に溶着技術が必要なのはこのためです。しかし、分子の異なるウレタンとPVCを溶着することは出来ません。一見溶着できたように仕上がりますが、ウレタン同士の溶着に比べると、溶着強度が極端に下がります。
今製作中のクルーソー460にはご購入者様のご希望により、オリジナルの船名を船体布に入れることになっています。このようにハンドメイドで製作しているため、オリジナル仕様の製作も可能です。