2013年2月25日月曜日

ノーティレイ修理

昨日はノーティレイ社ファルトボートの船体布修理が完了し、お渡ししました。18年という長い年月はたっているのですが、大切な思い出の記念品で、何とか乗れるようにしたいということでした。構造の分からない他社製、しかも船体布の大事な部分の接合が接着のみで、接着剤劣化により船体布ボトム前から後ろまで全体に大きな開口部が出来てしまい、修理は難しそうでしたが引き受けました。表面が変質したPVCは溶着では全く接合できず、思い切ってデッキを開き、接着だけで保っていたボトム部分全体をミシンがけ、縫い目の防水に補強ストリップを接着。デッキを内側で縫い、補強ストリップをうまくハンドルなどが後で縫えるように加工しつつ接着、最後にハンドル、コーミングの前後補強布を元通りに縫いあわせてエアチューブチェックをして完了。フォールディングカヤック職人の腕の見せ所でした。
私のカヌー製作暦と同じ年月を経たフレームはそんなことを全く感じさせない、まさに芸術品の輝きで、大事に扱われていたんだということが伝わってきました。船体布がよみがえり、まだまだ何年も活躍できるでしょう。